天気 :晴
メンバー:ひとり
行程 :芝沢ゲート3:10→(MTB)→便ヶ島4:10→西沢渡4:50→薊畑分岐8:00→聖岳9:50→薊畑分岐11:40→西沢渡13:40→便ヶ島14:20→(MTB)→芝沢ゲート14:40
想定外の早い梅雨明けとなった2021年、前から梅雨が明けたら遠征登山を狙っていた最中、今回過去冬に敗退している聖岳に登ってきました!
易老渡/便ヶ島へのアプローチは遠く、都心から芝沢ゲートまで自家用車で約6時間を要し、前夜に自宅を出発したものの到着は深夜2時となった。
1時間の仮眠をとって深夜3時過ぎ、MTBで芝沢ゲートをスタートする。
今日は長丁場の山行であり前半の所要時間がどの程度になるか気になっていたのだが、意外に調子よく1時間で便ヶ島、さらに30分弱で西沢渡に到着することができた。
索道は使用すると体力を絞られる為、靴が濡れてしまうが迷わず徒渉を選択した。
ルートはここから山頂まで本格的な登りとなる。
西沢渡から先の樹林帯は序盤から結構な急登が続く。
ここ数年の土砂崩れや今シーズンのコロナ山小屋休業等で登山道の状況が気になったが、とてもよく歩かれているようであった。
体力勝負な南ア、次第に疲れが見え始め、ペースが中々上がらない中、黙々と上を目指すしかない。薊畑まで我慢の登りであった。
ロングルートに対して急がねばといった気持ちのその裏で、ペースを上げすぎると足の痙攣やスタミナ切れで敗退するリスクが孕んでいる。
とにかく焦らず着実に一歩一歩標高を稼いでいった。
標高が上がってくると時間の経過とともに日が樹林帯に差し込んできて、青空やこれから目指す聖岳の稜線も垣間見えてくると持ちが一気に高まってきた。
長い登りの末、朝8時薊畑に到着、気持ちの良い青空と南アの秀峰が出迎えてくれた。
聖岳にはこの時点でまだ登頂できていないものの、今日の山の選択が大正解であったことを確信することができた。
聖岳と逆方向にそびえたつ上河内岳は冬季を含め未踏であるが、厳冬期に取りつき部から俯瞰した立派な景色が
今でも脳裏にしっかりと残っており、いつかその頂きにたてればと思っている。
分岐から1時間弱登ると前衛の小聖岳に到着する。
ここは南アルプスの森林限界2700mに位置するピークでやっと周辺が開放的になる場所である。
厳冬期にここから聖岳に続くこの先の細い稜線で推定風速30m近い暴風に阻まれ撤退したことが思い出された。
季節や難易度はまったく違うものの聖岳登頂が叶うとなると思わず嬉しい気持ちになってきた。
山頂までのガレ場の急登400mの登りは体力勝負になるが、見渡す景色や様々な高山植物に癒され心地よい時間となった。
芝沢ゲートから6時間以上の時間を費やして、朝9時50分、念願の聖岳に登頂することができた。
目の前に秀峰赤石岳が鎮座し、遠くは荒川三山や塩見岳を俯瞰することができ、文句なしの素晴らしい景色を堪能できた。
山頂はほぼ無風で人も少なく、快適&爽快そのものであった。
折角7時間近いアプローチを要し時間に余裕もあったことから昼寝をしたりごはんを食べたり山頂で1時間近くを過ごした。
登りもあれば下山が待っている。名残惜しくも山頂を後にして、後は淡々と山を下った。
登りの足の筋肉は売り切れ寸前であったが、下りは登りと異なる足の筋肉を使用するので足が止まることなく長い道のりを歩き続けた。
山小屋がすべて休業の南ア南部だがこの日は梅雨明け初日の週末、これから縦走を目指す多くの登山者とすれ違った。
便ヶ島までくればあとは林道アプローチで使用したMTBで心地よいダウンヒルを楽しむのみである。
この林道はMTBの利用無しでの使用は考えられないと思った。
遠路遥々時間とコストをかけてソロで登った聖岳であったが、終わってみれば天気や景色にも恵まれ大きな達成感も得られ、とても充実した山行となった。