天気 :晴後高曇り
メンバー:将太郎
行程 :寄大橋7:50→鍋割山9:50→熊木沢出合10:50→蛭ヶ岳13:50→(丹沢主脈線)→大倉18:30
当初、奥多摩の塩沢甚助窪という初級の沢を1泊2日で遡行予定でしたがアプローチに使う後山林道が通行止めで、
また友人が沢タビを新調してから沢登りをスタートしたいのとのリクエストもあって、今回は丹沢に山歩きに行ってきました。
久しぶりの丹沢でしたが、奥多摩に比べて険しくハードだなあと感じつつ、かなり満足いく充実山行となりました。
久しぶりの丹沢である。
丹沢山地は山自体は東京から50km程度と近いものの自宅からの電車アクセスが悪く、
東名は毎週末大渋滞、更にはヤマビルが半端ないこともあって最近敬遠気味であった。
しかし、奥多摩には無い奥深さと険しさが兼ね備わった山域であり、東京周辺在住者には捨てがたいエリアであることには間違いない。
今回は丹沢屈指のクラシックルートともいえる熊木沢から丹沢最高峰の蛭ヶ岳へ一気に突き上げる南稜尾根ルートを計画した。
ヒル除けスプレーを足にガンガンに振りかけて朝8時前に寄大橋出発、まずはユーシンに下るべく雨山峠を目指す予定であった。
しかし雨山峠~ユーシンロッジ間が通行止めらしいことが出発直前で分かり、仕方なく急遽鍋割山を目指すことになった。
寄大橋からの登山道は鍋割山を目指すにしても雨山峠を目指すにしても、余計な手が加えられていない感じがしてとても気に入っている。
寄コシバ沢を詰めあがった先にある鍋割峠では、丹沢山、蛭ヶ岳、檜洞丸といった丹沢の主峰を眺めることができる。
峠から短い急登を登りきると鍋割山の山頂である。
鍋割山単体の登頂だけでも十分な登山と言えるが、今日はここから熊木沢まで500m下って、
さらに下った先から蛭ヶ岳まで900mを一気に登り上げるといった体力的に中々チャレンジングな計画である。
なので休憩は短めに済まして早々に熊木沢方面へと足を運んだ。
鍋割山から俯瞰した富士山、4月下旬で宝永山から下に雪が無いようだと今年も山ボードは厳しいかもしれない。。。
鍋割山から少し下って熊木沢に降りる旧道の状態が今回1つの懸念であった。
しかし実際歩いてみると昔の踏み跡やマーキングが所々に残されており、さらには天然の広葉樹林に囲まれた何とも素敵な道であった。
お陰で鍋割山の尾根から下の廃道まで30分で降りることができた。
この周辺はかつてはユーシンロッジまで車でのアプローチが可能で中々の賑わいを見せていたようだが、
度重なる道路崩壊と残念な水難事故の事例から林道通行ができなくなってしまい、今では丹沢屈指のマイナーエリアとなってしまっている。
熊木沢を歩き進むと壮大にそびえ立つ蛭ヶ岳が現れ気持ちが一気に高まった。
骨折れるアプローチをこなしてやっとお目にかかれるレアな蛭ヶ岳といえるだろう。
ガレの熊木沢は林道完全崩落でルートがほぼ消滅し、所々厄介であった。
河原をまっすぐ進むといずれ巨大砂防で行き詰まるので、その手前で右岸林道跡に藪漕ぎで合流するなど何とかそれをやり過ごした。
今回は沢が二俣に分かれるほぼ中央から南稜に取り付いたが、一般には右岸林道を最後まで詰めてから
左俣にかかる砂防の上を越えて尾根を登高するのがセオリーのようであった。
(オブジェ的な廃車ワゴンは林道跡終点にあるらしい。)
途中、巨大なブナが目の前に現れ、思わず写真を撮ってもらった。
ここまで立派なブナは中々お目にかかれないような気がする。
それにしても南稜後半はひたすら体力勝負であった。
疲労を和らげるよう一歩一歩ゆっくりと標高を稼いでいったが、山頂まであと10mのところで足(右太もも)が痙攣してしまった。
何とも足の痙攣は昨年緊急事態宣言直後の奥多摩風張林道ヒルクライム以来である。。。
今シーズンは奥多摩で山トレを重ねていた矢先のことでショックを受けたが、振り返れば丹沢のような険しい山はすっかりご無沙汰でもあった。
悲しくも年齢的要因あるのだろうか、ともかく今後は疲労を速攻和らげるアミノサプリ系の携帯と積極的摂取をマストにしようと思った。
(山頂のすぐ真下で本当に良かった。。。)
山頂直下で熊木沢を俯瞰すると、下から登ってきたことに感慨深いものを感じた。
険しいルートを乗り越えた先の蛭ヶ岳山頂、ここまで大変でした。。。
山頂でビールを購入、苦労したこともあって一緒にTシャツも購入した。
今度丹沢以外のどこかの山を歩く際に着用してみようと思う。
大休止した後は頑張ったご褒美?ともいえる丹沢主脈の縦走が待っている。
しかし今日は足の痙攣をやらかしていて足をおもいっきし上げる動作が何ともしんどい。。。
ここで動けなくなったらアウトなので、塔ノ岳まではペースを下げてあせらずゆっくりと一歩一歩進んでいくように努めた。
日本百名山にも選定されている丹沢山の山頂にも到着、ここまで来れば残すピークは塔ノ岳のみである。
一面に青空が広がっていた朝も、途中からすっかり高曇りになってしまった。
横を振り向くと富士山が雲に浮かぶように鎮座していて何とも格好良かった。
塔ノ岳を過ぎたらラストはバカ尾根の下りのみとなる。
バカ尾根は間違いなく登りで使いたくない尾根の筆頭に挙げることができる。
日没前に大倉に到着、ここからバスに乗るのはおそらく10数年ぶりである。
渋沢駅でラーメン+瓶ビールで打ち上げ、小田急電車~南武線~東横線と乗り継いで帰宅した。
計画した時点では正直何となく歩いてみたい程度であったが、実際に歩いてみると、秘境的な熊木沢や南稜からの蛭ヶ岳登頂など盛り沢山で、
記憶に残る充実山行となった。