天気 :晴
メンバー:ひとり
行程 :焼山登山口7:30→(焼山~姫次)→蛭ヶ岳12:00→(丹沢山)→塔ノ岳14:50→(三ノ塔)→葛葉ノ泉17:30
東京から電車~路線バスを乗り継いで、裏丹沢から蛭ヶ岳へ、さらに欲張って表尾根を歩いた記録です。
<山行記録>
始発で神奈川県の橋本駅へ。そこからバスを2本乗り継いで焼山登山口から登山を開始する。
それにしても東丹沢、西丹沢とは異なり裏丹沢は首都圏から遠い。バスの本数は1日2本である。(ちなみに渋沢~大倉は毎時3本)
麓から焼山山頂までは登り返しは無いものの結構な急登が連続し初っ端から体力を絞られた。
焼山山頂は木々に囲まれてはいたものの展望台が設置されていて、登ってみるとそこからの景色は中々上々であった。
(写真:宮ケ瀬湖と東京の街並み。遠くにそびえたつビル群は東京だろう。スカイツリーも捉えることができた。)
焼山から先、黍殻山~姫次にかけては引き続き登り一辺倒でありつつも決して急登では無い。
過剰に木道が整備されており正に公園のハイキングコースといった感じだった。
黍殻山辺りの稜線から丹沢三峰方面を覗くと下方の台地上の広葉樹林帯に目に留まった。
調べるとそこが原小屋沢を遡行した後下山ルートで一般に通過する榛ノ木丸であることが分かった。
一帯は人間の手があまり入っていない広葉樹林帯となれば大変魅力的であり紅葉狩りやキノコ狩り等で訪れてみたいところだが、
一方で知る人ぞ知る半端ないヒルの巣窟地帯であり、地形・植生等から熊の生息エリアであることも間違いないであろう。
姫次まで至ってこの日初めての富士山とのご対面となった。最近雪が降ったのか上部は真っ白な雪でしっかりと覆われていた。
富士山の積雪量を左右する1つのポイントが南岸低気圧である。5月に山ボードが十分楽しめるようになる為にも毎年ガンガン襲来してほしいものである。
しかし残念ながら少なくともここ10年は深刻な地球温暖化によって富士山は酷い寡雪が続いている。
(写真:蛭ヶ岳に続く稜線から俯瞰した西丹沢の主峰、檜洞丸。山頂近くに青ヶ岳山荘という小さな山小屋が建っておりいつか泊まってみようと思っている。)
黙々と登山道をありき続け、ちょうど昼の12時に蛭ヶ岳山頂に到着した。
焼山を経由しての登高はまあまあしんどかったが、それでも塔ノ岳を経由するよりかは大分マシだと思う。
この日は富士山も見えたので一応セルフィーで記念撮影を済ませた。
残念ながら山頂標識をバックすると登山客がどうしても映りこんでしまう。しかしこれは人気でいつも混雑している丹沢の一景色といってもいいだろう(笑)。
今日は新潟ビールのロング缶とカップ麺を持参した。山でいただくビールとカップ麺は何時になっても不思議と格別な贅沢である。
カップ麺のお湯は今回テルモスで運んだものを注いだが、いくらテルモスとはいえ大分ぬるくなってしまっていたので次回は小型OD缶とガスヘッドを持参しようと思った。
(写真:蛭ヶ岳直下から丹沢山を俯瞰した1枚。塔ノ岳や丹沢山から望む景色は当然素晴らしいが、圧倒的に写真が映えるのやはり丹沢山~蛭ヶ岳間の稜線と言えよう。)
(写真:鬼が岩から振り返って撮影した蛭ヶ岳山頂。)
さて、景色は最高ながら蛭ヶ岳~丹沢山間は登り返しが連発する体力的にえげつない区間でもある。
蛭ヶ岳で嗜んだビールのほろ酔いが思った以上に体に負担をかけるものとなって、鬼が岩への登り返しで体力・筋肉ともにエネルギーが売り切れて
一気にペースダウンしてしまった......。この区間は丹沢登山で毎回鬼門の区間なっている。。。
撮影時はすっかりカメさん歩きの状態で思いにふける余裕等無かったが、こうやって今写真を見返してみると、
丹沢主脈が中々急峻で登り甲斐のあるトレイルであるのがひしひしと伝わってくる。
大分ヘトヘトになって丹沢山山頂に到着、少し休んで次のピークである塔ノ岳を目指すことにした。
丹沢の隣にある大山は都会に近く最も登山客の多い山であるが、客観的に評価すれば端正で凛々しい立派な峰である。
(写真は無いが)新幹線から望む大山がとても格好良くて自分は気に入っている。
蛭ヶ岳からのほろ酔いもこの辺りまで来るとさすがに解消されてきて午後3時前に塔ノ岳まで来ることができた。
後はバカ尾根を降りれば日没前に下山できそうであった。しかし、何故かこの時「静かな表尾根も粋じゃないか」と思ってしまい、
気づけば表尾根を下り始めている自分がいた......。
静かな表尾根で(何を考えていたが忘れたが)思いにふけつつ景色を楽しみ、そして下山を急いだ。
ヘッデンは当然ながらしっかり持参おり登山道整備もバッチリ、そんな丹沢なので今回は強気に「ナイター上等」な気持ちで攻めたかった。
しかし一方基本必ず日没前に下山するのがポリシーなので、ナイター確定を考えると少し反省の気持ちになってしまった.........。
しばらくすると塔ノ岳の方から声の大きいトレラン軍団が駆け下りてきて、山が静かでなくなったので一層早く下山したい気持ちになってしまった...。
三ノ塔山頂で日の入りを迎えることとなった。下山は二ノ塔から葛葉の泉~菩提に降りるルートとした。
二ノ塔から下った杉の植林エリアで完全な日没を迎え、葛葉の泉に至るまでの最後の30分はヘッデンのお世話となった。
葛葉の泉から菩提バス停までは1時間の車道歩きである。
葛葉の泉で水を汲んでいる地元住民の方をよそにとぼとぼ一人車道を歩いていたところ、
なんと水を汲みに来ていらした地元の方が声をかけてくれて、バス停まで車送ってくださった。
決して山ガールではない暗い雰囲気を醸し出してとぼとぼ道を歩いてるオッサンな自分に声をかけてくださったことに感謝が尽きない気持ちである。
(赤いボルボの地元の方、その節は本当に有難うございました!)
そんな感じで最後は朗らかな気持ちで山行を終了することができて、活動自体も十分満ち足りるものとなった。