天気 :8日:雨後曇り、9日:曇り、10日:雨
メンバー:ボイジャー
行程 :8日:新穂高温泉5:30→双六小屋12:20→(双六岳~三俣蓮華岳)→三俣山荘16:00
:9日:三俣山荘4:40→鷲羽岳5:30→水晶岳7:50→雲ノ平山荘11:20→三俣山荘14:10
:10日:三俣山荘6:20→双六小屋8:00→新穂高温泉12:00
10月の3連休、小屋泊で友人と北アルプスの黒部源流エリアを歩いてきました。
天気はかなりイマイチですがその分人は少なく、2日目は山々の展望も良好で小屋の夜ご飯と夜カフェタイムはとても心地よく、今振り返ると夢のような3日間でした。
<10月8日>
今回は新穂高から双六を経由し三俣山荘をベースに水晶岳~黒部源流を2泊3日の日程で縦走する計画である。
当初難関ルートの読売新道を歩く予定だったが、奥黒部ヒュッテが時期的に小屋閉めしていたため、新穂高起点となった。
この時期は紅葉シーズンで3連休も重なり小屋の宿泊予約の確保に難儀したが、嬉しくも悲しくも最悪の天気予報となり、
その結果直前で三俣で2泊分の布団を予約することができた次第であった。
前夜東京を出発するも飛騨地方は結構な雨、プラチナ枠の新穂高無料駐車場はすきすきで余裕で車が止めることができた。
(今回は友人が車を出してくれた。運転サンクス!)
朝5時半、雨の中、新穂高駐車場を出発、今日の目的地は三俣山荘でここから約9時間とわりかし長い道のりである。
最初は左俣林道の長い歩きから始まる中、普段山をやっていて林道歩行はぶっちゃけ冗長以外の何物でもないと感じるが、
長い距離を歩かねばならない状況にある中だと、逆に林道はすこしでも楽に距離を稼げる区間になるので「助かるわ~」といった気持ちが芽生えてしまう。
山行記録を作成してて、ご都合主義にならずもうすこし物事に対して多角的に考え、かつ許容の幅を広げていかなきゃなと思った次第である。
さて、1時間程歩くとわさび平小屋でそこから少し歩くと道は本格的な登りとなる。
小池新道の登りは沢沿いの石がごろごろした硬い地面のトラバース道が延々と続くため毎々登るたびにハードだなあと感じる。
本来ならここから立派な穂高の山々を俯瞰できるはずだがこの日は悲しすぎるくらい真っ白な景色であった。。。
新穂高から4時間程歩き続けてようやく鏡平に到着、すこしフライングだが鏡平山荘で生ビールを注文し乾杯とした。
ここで友人はうどんを注文し、自分は持参したチキンラーメンを食べたが、うどんが本当においしそうで、次回来るときがあったらうどん注文しようと思った。
鏡平からさらに300mほど標高を上げると弓折乗越で、そこから双六小屋迄は下り基調になるが、悲しくも先ほどの生ビールが回ってここから乗越まで超絶亀さんスローペースとなってしまった。。。
このあたりで嬉しくも少しずつガスが抜けはじめ、目の前に北アの豪快な山尾根を望めるようになってきた。
乗越をすぎるとやっと双六岳が俯瞰できるようになり、曇天ガス気味ながら映える写真が撮れるようになってきた。
向かう正面はガスに覆われているがその奥には鷲羽岳がある。
双六小屋のコル手前、いい感じな写真を撮ることができた!
双六小屋に到着、さすがに奥深いエリアだけあって新穂高から7時間程かかった。
自身は以前山ボードでGWに訪れた以来である。
ここからの鷲羽岳の展望は素晴らしいが残念ながら相変わらずガスに覆われたままであった。
丁度お昼時だったので友人はカレーライスを、自身はラーメンを注文し美味しく頂いた。
いつもはテン泊で食料は下界から全部担ぎあげるが、今回は小屋泊なので食事もリッチに小屋のサービスを利用する計画である。
(ここでお金をケチったところでその結果は貯蓄がちょっとだけ増えるだけだろう。)
当初は初日は巻き道で三俣山荘へ向かう予定であったが、3日目は完璧に100%雨予報な為、この日に双六~三俣蓮華のピークを踏むことにした。
丸山の手前で丸々と太ったライチョウ軍団に遭遇した。
高山帯に残って厳冬期の過酷な環境を乗り切るだけあって、まじかに見ると大きさは想像以上でビックリした。
ガスガスの雲の中から、一瞬槍ヶ岳のてっぺんと険峻な北鎌尾根の姿が現れた!
この天気ならではの1枚といった写真をとることができた。
少しずつガスが抜けてはきていたものの、高山の上部はガスに覆われたままであった。
本来なら展望抜群の三俣蓮華山の山頂もこの日は相変わらずガスが周辺を覆い隠していたので、諦めて三俣山荘を目指した。
夕ご飯やその後のお酒タイムの事ばかり考えて登山道を下っていた時、最後の最後で一気にガスが抜け、目の前に鷲羽岳がどしっと現れた!
今回の山行で自分が最も楽しみにしていた、正面に両翼を広げた鷲羽岳と下方にぽつんと建つ三俣山荘の構図ができあがり、この間友人と無我夢中で写真を撮りまくった!
今写真を起こすと目の前にちっちゃな雲があってスッキリしないけど全然OKである。
朝から10時間近く歩き続けてようやくベースとなる三俣山荘に到着した。
今日は美味しく温かいご飯にありつけおまけに布団で寝れる、なんて贅沢だろう...。
夕ご飯のシチューは奥深い山中では普通食べれないようなハーブが効いた上品な味で美味しく、
夕食の後は伊藤新道のスライドショーやチェロの演奏などいたれりつくせりであった。
明日はいよいよ今回の山行の目玉、水晶岳への登頂である。
<10月9日>
朝4時半、三俣山荘を出発して鷲羽岳へのアタックを開始する。
登り上げるにつれて真っ暗だった空が明るくなり始め、昨日はほとんど姿が見れなかった槍穂高や黒部の山々が今日はクッキリと見えていた。
鷲羽山頂で日の出を拝み記念撮影、残念ながら朝から曇天だけど最高!!!
鷲羽岳からワリモ岳を経由して次はいよいよ念願の水晶岳である。
明日は完全な雨予報だからだろうか、ここから先の登山者は閑散としており、おかげで静かな山歩きを楽しむことができた。
正面には水晶岳、奥には薬師岳、左は黒部五郎、右は野口五郎に硫黄尾根、贅沢すぎるロケーションである。
黒部五郎岳、かっこいいの一言である。
黒部五郎は水晶岳付近からの俯瞰が一番映えることを知れたことも今回の山行での1つ収穫となった。
そして朝8時前、念願の水晶岳に登頂!友人も水晶岳は初登頂とのことでしっかりと記念撮影を済ませた。
山頂は意外と狭く、大賑わいのシーズンの登頂であったら記念撮影もままならなかったかもしれない。
山頂でビールと小屋のお弁当を嗜みつつのんびりと1時間程過ごた。
今日1日黒部源流で過ごし、夜はごはんに布団もある、何とも嬉しい非日常である。
友人は雲ノ平に行ったことがなく、この機会にぜひ訪れたいとのことで雲ノ平に寄ることにした。
前回自分が雲ノ平を訪問したのが2011年なので気づけば前回の訪問から10年近くの月日が経過していることになる。
雲ノ平から望む水晶岳、改めて北アの山の規模に圧倒的された。
雲ノ平山荘でランチを頂く、都会の街とほぼほぼ相違ないカフェご飯であった。
小屋の中はすごくおしゃれで立派な音響機器が真ん中に置いてあってレコードはTom WaitsのClosing Time、
自分も学生時代から今でもずっと聴いているおススメの1枚で、自分もこんな家にいつかすみたいなあと本気で思った。
雲ノ平から三俣山荘に戻る途中についに雨雲につかまってしまった。
予報だと明日一杯雨予報である。
小屋に到着するとしだいに雨風が強まり小屋のスタッフが窓に堅牢そうな木枠を取り付け始めると、ついには台風のような暴風雨に変わって、
下界とは比較にならない山の天気のリアルな厳しさをリアルに感じた。
小屋に戻ったらあとは小屋泊りならではの至福のマッタリタイムである。
カフェが併設されており、昼はケーキとコーヒーを、夕ご飯の後は日本酒、最高である。
夜ご飯が終わった夜7時~9時がバータイムであるのだが、早起きでの山歩きをしてきたこともあって勿体なくも夜8時には睡魔に負けて布団行きであった。
<10月10日>
最終日は予報通りの雨スタートとなった。
暴風雨のピークは越えたもののかなりの雨風で、特に双六池周辺は風の通り道なこともあってガチの暴風だった。
体力作りのごとし、黙々と登山道を歩き続け、途中鏡平では立ち食いでラーメンを食し、新穂高には昼の12時に到着した。
2泊3日の黒部源流エリアであったが、天気にはイマイチ恵まれなかった一方、静かな山歩きを思う存分満喫でき、小屋の夜ご飯と夜カフェタイムはとても心地よく、振り返るれば夢のような3日間となった。