天気 :2日:晴れ一時曇り、3日:快晴
メンバー:ひとり
行程 :2日:一ノ沢5:20→常念乗越9:10→大天荘(大天井岳)12:20
:3日:大天荘(大天井岳)7:30→常念乗越9:20→常念岳10:20→常念乗越11:20→一ノ沢14:20
移動に片道250km、往復10時間近くを費やして北ア常念山脈を歩いてきました。
予想以上の完ぺきな晴れに恵まれ心から満足できる縦走ができました!山最高だぜ!
<10月2日>
<10月2日>
温暖化の影響か温かく雨ばかりで紅葉がイマイチな秋シーズンが5年程続いていただろうか...。
しかし今年は久しぶりに「秋」と感じさせる冷たく爽快な空気を感じ取れ、紅葉も上々とのことで、そうなれば都内でじっとしている理由は無く、
前から温めていた常念山脈最高峰で自身まだ未踏の大天井岳への遠征登山を決断した。
大天井岳は常念山脈最高峰であるが名前や一等三角点、知名度はすべて「常念岳」に集中している。
しかし遮るものが一切ない360度の大展望を堪能するなら十分常念に勝る山であろう。
何とかして土日休みを確保できたが前日の金曜は仕事が長引き、都内自宅の出発時刻は夜11時を過ぎてしまった。
長い運転と途中西友での買い出しをこなして深夜3時、一ノ沢登山口駐車場に到着した。
一ノ沢登山口は前回山ボードで訪れた以来約7年ぶりである。
1時間程の仮眠を得て朝5時半頃に登山開始した。
序盤は沢沿いに緩い登りが続くが重いザックを担ぐ割には快調なペースで進むことができた。
日が昇り、現在地からはるか上にそびえる稜線の斜面を見渡すと光を浴びた広葉樹が黄色く輝いており、気持ちも一気に高まってきた。
常念小屋へは、残雪期には沢を直登してのアプローチになるが無雪期は尾根沿いに整備された登山道を利用する形となる。
安曇野側はいつのまにかガスで覆われてしまい、不意打ちをくらった気分であった。
こうなったら時間的に稜線に登り上げた先の景色が生きていることをひたすら祈るのみである。
胴突八丁からの急登は歩きやすいように整備されており効率的に標高を稼ぐことができた。
しかし途中「最終水場」で2Lの水を汲んでからは状況が一変、されど2kgの重量増加であるが、
この2kgが自分の疲労閾値を超えるトリガー値だったようでこの先一気にペースが落ちてしまい、ここからがまさに試練であった。
(たった2kgの増加がここまで極端に疲労するとは正直思ってもみなかった。。。)
山小屋では安価で水が手に入るが今日は歩荷トレーニングも兼ねたいと思っていたので、あえて水を汲んでの登山を選択した次第である。。
途中休憩ベンチのある同突八丁の我慢の急登を牛歩で1時間かけてやりすごし、午前9時過ぎ、常念乗越に到着した。
懸念のガスは上高地側には何故か全く湧いておらず、目の前に北穂、大キレット、そして槍ヶ岳が堂々と鎮座する素晴らしい景色が広がってくれていた。
まさに「ようこそ北アへ」といったような感じで秀峰が出迎えてくれた感じであった!
今日は大天荘を目指すため、ここから500メートル近く標高を上げる必要がある。
横通岳への登りは普通なら全然大したことがないレベルだが、重いザックをずっと背負って疲労が蓄積された状態での登高となると中々しんどく、まさに体力勝負であった。
一歩一歩ゆっくりと標高を上げていった先には、左を向けば、北穂、大キレット、そして槍ヶ岳と素晴らしい景色が一面に広がりここぞとばかりに写真を撮りまくった。
横通岳から先はこれぞ北アと言い切れるほどの大展望が楽しめる爽快トレイルであった。
と、いいつつもこの時は重い荷物を背負って結構ヘトヘトだったこともあって景色を満喫したい気持ちと大天荘に早く着きたい気持ちが正直半々だったことはあえて隠さずにおこう。
トレイルから北穂、涸沢、奥穂を俯瞰する。
涸沢は紅葉目当ての登山者でさぞかし大盛況なことに間違いないだろう。
稜線からは十分すぎるほどに北鎌尾根を俯瞰することができた。
生意気ながら水俣乗越を下降して北鎌に登るプランにモチベーションは無く、行くなら湯俣川から天井沢を上り詰めてなんぼだろうといった気持ちである。
2時間ほどの絶景稜線歩きをこなした後この日は予定通り午後1時前に目的地の大天荘に到着することができた。
早速翌朝の日の出が拝めそうな一等地にツェルトを設置し、その後ルービーを片手に歩いて徒歩5分の山頂を目指した。
初めての大天井岳山頂ではもちろん記念撮影を行った。
一通りの写真撮影を完了させた後、景色をアテにお楽しみのルービータイムをしっかり堪能した。
今回の北ア遠征は山ボードのルート観察も兼ねていたりもする。
大天井岳周辺は残雪期の山ボードを考えると滑降に適してそうな斜面がいたることろに見られ、常念小屋ベースにして面白い活動ができそうであった。
ここ数シーズン内に何とか有限実行したい気持ちである。
テントに戻ったら持参したチューハイを呑みつつマッタリタイムを満喫した。
しかし少々飲みすぎてしまったようで寝落ちてしまい結局夕方までお昼寝タイムになってしまった。
さらに夕方から夜にかけて風が強まり設営したツェルトが倒壊してしまった。。。
ガッツリロープで再固定したが、今以上の風をやり過ごせるか正直ちょっと不安であった。
しかしその不安は杞憂に終わり、ツェルトは崩れることなく朝まで強風にしっかり持ちこたえてくれた。
朝テントから外を覗くと眼下に雲海が垣間見え遥か遠くがうっすら赤く染まっていた。
小屋が何ともいい感じ、雲の中からそびえたつ浅間山が印象的であった。
手前の山は美ヶ原だろうか(間違ってたらすみません)。
久々な山の上でのご来光、本当に最高!!!
燕岳もいい感じでオレンジに染まってくれていた!
テン場で朝ごはんを食べてから朝の大天井岳をお散歩、テン場から山頂までは徒歩5分である。
この日は槍穂高は勿論水晶岳や双六方面、立山連峰、後立山連峰を雲一つ無い青空のもと俯瞰することができた。
山頂標識と槍ヶ岳、目の前の東鎌尾根が何といっても印象的に残った。
いつか表銀座も歩いてみたいものである。
テントを片付けて名残惜しい気持ちの中、朝7時半に大天荘を出発した。
今日は基本的に昨日歩いてきた道を戻る形になるが、逆方向に見る景色はまったく新鮮で、この日も飽きることのない大展望をこれでもかというほど満喫することができた。
大天井から離れると今度は常念岳が正面に迫ってくる。
常念乗越から山頂へは約500m弱の登りとなるが、今日は絶好の天気、登らない選択肢は無いと言い切れる。
昨日と比べてザックの重量も軽くルートもほぼ下りなこともあって、大分ゆっくり歩いたもののあっという間に常念乗越に到着してしまった。
少し休憩した後、幕営道具を小屋近くにデポして常念岳を目指すことにした。
常念岳へは1時間弱で到着することができたが、ほぼ空身とはいえ400m近い急登は中々堪えるものがあった。
山頂は記念撮影待ちの大混雑だったので早々に少し下った斜面に移動して、槍穂をはじめとする山々の景色をマッタリ堪能した。
とても寂しいが常念岳を最後に残す工程は下山のみとなった。
終ってみれば昨日今日と本当に最高の天気と景色で久々会心遠征山行となった。
午後2時半には下山し、その後温泉、テンホウを経由して高速道路で帰京したが、予想通り大月~東京の大渋滞予報が表示されていたので、
甲府昭和ICで降りて無駄に温泉に立ち寄って、上野原まで下道で節約し帰京、自宅に着いたときは夜10時になってしまったが、
今回の山行の充実感を考えれば十分すぎるほど安い負債と言えるだろう。
次回北アは立山山ボード遠征での再訪となる、今年は行くよ!!!