天気 :11日 曇り一時雨時々晴れ、12日 晴れ後曇り
メンバー:ひとり
行程 :11日 飯豊山荘6:50→(梶川尾根)→門内小屋12:00→梅花皮小屋13:30→御西小屋16:30
:12日 御西小屋4:50→大日岳6:00→御西小屋7:20→飯豊本山8:50→(ダイグラ尾根)→飯豊山荘15:30
上越・東北遠征2座目は1泊2日で飯豊大日岳へ、今回の遠征のメイン山行でした。
<山行記録>
昨日の守門岳トレッキングを終えてつかの間、途中SAで仮眠を経つつ新潟から山形県へと移動、2座目は1泊2日で飯豊の名峰、大日岳への登頂を目指す。
朝7時前に飯豊山荘を出発、今回は梶川尾根を経由して稜線に至るが、のっけからえげつない急登が始まった。
登山開始早々、登山道の脇に生える食べごろなアミタケが次々と目に入った。
もし今日が日帰り登山で家が近所だったら持って帰りたいところだが.........。
アミタケのお味噌汁は秋のささやかなご馳走である。
標高を上げると巨大なブナが目立ち始めて、遠征登山に来たことが実感された。
登山道は所々でブナ等のどんぐりでいっぱいだった。
それにしても今年は例年になくどんぐりが大豊富のようである。
数日前の天気予報ではこの日は晴天の予報、のはずであったが、実際に登って待っていたのは雲海の下の雲ではなく、切ないほどに雨模様な曇天...。
ここまで来たらもはや好天に変わることをひたすらに信じて頑張って登るしかない気持ちである。
休憩もほどほどに3時間程ひたすらに登り上がるも一向に稜線が見えてこなかった。
更に登った先、すこし開けたスポットに出くわしたのでようやく稜線末端かと思いきや、そこは梶川尾根のほぼ中間に位置する五郎清水...、
まだまだ道半ばといった少し切ない現実を理解し、体の力も抜けてしまい、ここで少し長めの休憩を取った...。
五郎清水の少し先で、梅花皮大滝を俯瞰できた。
あまりの険しさに思わず息を飲む....、梅花皮沢滝沢は飯豊屈指の難関遡行ルートである。
過去に大西良治さんの遡行記録をWebサイトで読んでこの沢の全貌を知っているが、このクラスとなると、もはや沢登りではなくクライミングの領域といえよう。
その一方で沢登りの技術が停滞気味の自分だが、ここ最近、紅葉終わった晩秋にこそ、奥多摩の小さな沢にこまめに通い詰めて遡行・登攀技術を向上せねばとずっと思い続けている。
(が、すっかり腰は重いままでいまだに全然実行に移せていない....。)
出発からこれでもかと言う程に急登を登り続けて、ようやく支稜線末端の梶川峰に到着できた。
コースは森林限界を超えてようやくここから開放的な稜線歩きだが、丁度このあたりから横殴りの雨が降りだして風もでてきた...、最悪のタイミングである...。
写真には写っていないがこのあたりでこれから登る或いは下山する登山者数パーティーとスライドした。
素敵な草紅葉、なのにちっとも景色が見えないので感動は薄い...、景色があったらどれほど美しく、また気持ちが高まったろうか...。
午後12時、門内小屋に到着、登山口からここまで丸5時間を要したことになる。かなり遠かった...。
以前に飯豊山を縦走した時、門内小屋に泊っており、その時小屋に到着したタイミングでギリギリ急な夕立をやり過ごしたことを思い出した。
門内岳から先は稜線通しで北股岳を経て、飯豊の主要な小屋の1つ、梅花皮小屋へと経る。
晴れていたら北股岳や梅花皮小屋から豪快な石転び沢を俯瞰できるのだが、この日は...。
石転び沢は5月にスプリットボードでいつしか訪問したいと長らく思っている。
ここは梅花皮荘から飯豊山荘までの林道に残る片斜面の処理を懸念していたが最近は寂しくもすっかり寡雪で雪が無いようで
MTBと組み合わせて来年あたりにトライしても良いかもしれない。
(住まいが東京なので東北への移動には丸1日を要する為、金曜午後半休をとって昼過ぎに自宅を発って新潟経由でアプローチ、
土曜ヘッデンスタートでにアタックといったプランである。)
梅花皮小屋から御西小屋までのコースタイムは3時間、以前初夏に縦走した時はお花畑に癒されつつ雪渓の雪をロックにウィスキー山崎を堪能した記憶が残っている。
私が愛してやまなかった山崎だが、急に樽を切らして生産激減、おまけにインバウンドで外国に名が知れ渡って価格も上昇...、
今現在はもはや日本人が普通に飲める価格でなくなってしまった....。
過去の山行を回想しながら黙々と霧の中を歩いていたところ、突然雲が消えはじめ、目の前に景色が現れた...!
もはや言葉でいちいち表現不要な心からの喜びと興奮が一気に湧き出て、自然と笑顔になったのは言うまでもない。
やはり山に青空は欠かせない、そう実感できた瞬間であった。
峻険な飯豊山塊であるが、稜線や沢の源頭部が非常に穏やかなのもまた1つの特徴である。
印象的な黄金色の草原状の景色も度々目に留まった。
ここはきっと夏の季節、高山植物が一面に咲き乱れる素敵なお花畑になっているに違いない。
そして正面にようやく本日の目的地である御西小屋が見えてきた。小屋まではあと小一時間といった距離だろうか。
この時既に時刻は午後3時を回っており、早く小屋に着いてマッタリお酒を飲みたい気持ちで一杯であった。
(写真:稜線から望めた飯豊本山。この日飯豊本山周辺だけ何故か不思議と雲がかからず、素晴らしい景色に元気をもらえた。)
16時半、日没手前でようやく本日のゴールである御西小屋に到着、登山開始からここまで約10時間を要したことになる。
飯豊の奥深さと険しさを身をもって感じた1日となった...。
小屋に入ると1Fに3人、2Fに4人?とそこそこの賑わいであった。
泊る予定の方と雑談を交えつつ、ビールと簡易的な食事をとってようやく心身休める状態となった。
連日の睡眠不足もあって夜7時過ぎには就寝、ぐっすりと眠ることができた。
2日目は朝4時起床、朝食を済ませた後、(少し大げさですが)アタック装備で今回の目標地点である大日岳山頂を目指した。
宿泊されていた方から深夜トイレで外に出た時に満点の星が見えたとの話を聞いた。今日はかなり期待が持てそうである。
出発時は真っ暗だったがすぐに地平線が明るくなり始め、次第に雲海が見えてきて、大日岳の中腹辺りで日の出を迎えた。
気が付けば稜線で日の出を拝むのもかなり久しぶり、まさにゴキゲンと形容できる刹那である。
真っ赤に染まった稜線を黙々と登っていく中で後ろを振り返れば小屋からずっと歩いてきた稜線と飯豊本山が対峙する。
昨日と違って雲一つない飯豊の朝日、山での早朝は私にとって幸せな時間である。そして朝6時、念願の大日岳登頂を成し遂げた!
山頂は随分と風が強くカメラをセットするのも一苦労であった。
山頂から少し下がったところで風がやや強い中で持参した缶ビールを嗜んだ。
新潟限定の缶ビール「風味爽快ニシテ」は私のお気に入りの地方限定ビールでもある。
正面にはオンベ松尾根へと続く稜線が続いているが中々険しそうであった。
当初はオンベ松尾根から大日岳への登頂をワンデイで狙っていたが、湯ノ島小屋までの林道が崩壊中でMTBが使えないようなので早々に諦めた。
今回は整備の行き届いたメジャーな梶川尾根を使ったが、門内小屋まで5時間を要した。
もし湯ノ島小屋からオンベ松を経由して大日岳に至るとなれば、私の場合1日がかりになってしまうかもしれない。
この日は雲海もバッチリ、雲の高さは海抜ちょうど1800mくらいだろうか。
標高1800mの磐梯山がギリギリ雲の上、標高2000mの吾妻連峰はくっきりといった感じであった。
無事に登頂を成し遂げられ、心地よい気持ちで小屋に帰還、小屋から後ろを振り返ると大日岳の雄姿が見事であった。
(写真:巨大な大日岳。飯豊山塊最高峰のこの山の頂に立ってようやく飯豊山に登ったと心の中で納得できた。)
お世話になった御西小屋を後にする。麓から遠いが素敵な場所に立っている小屋である。次は初夏に再訪したい。
正面には飯豊本山、果てしなく奥深いこの山も御西小屋からだと目と鼻の先であり、今回の山行のもう1つのお楽しみである。
御西小屋から飯豊本山の間は夏にもっとも高山植物が咲き乱れる区間で、過去の山行でもかなり印象に残っている。
この日も景色は文句なし、納得のハイライト区間であった。
そして飯豊本山に登頂、近くに山頂小屋があることや日本百名山のネームバリューもあってか山頂付近は登山者で大賑わいであった。
メジャーとは言え登頂には骨が折れる飯豊山頂ではしっかり記念撮影も済ませた。
(写真:山頂から大日岳方面を望む。たおやかな尾根道が先まで伸びている。)
山頂では大休止、チキンラーメンを食べつつ、これから下山するダイグラ尾根を観察する。
ダイグラ尾根は道は明瞭ながらもアップダウンが連発し行程も長く、途中小屋もないことからは地図では破線ルート扱いで紹介されている登山道である。
最初は概ね下り一辺倒だったが1時間程進んでからは容赦ないアップダウンが連発、一気に体力を削られた...。
その一方で、マイナールートと思いきや、この日は北アルプスの如く、次から次へと麓から登ってくる登山者とスライドした。
標高下げていくと途中、紅葉が見所のスポットがいくつか現れた。
とても綺麗な景色だが、この日は既に大日岳と飯豊本山の山頂から圧倒的な絶景を拝み倒していたこともあって、
贅沢すぎるが今日に限っては消化試合的な景色となった。
結局、休場ノ峰まで延々とエグいアップダウンが連発、その為、登山する際にはできるだけ避けたいルートといった印象をもった。
その一方で、ダイグラ尾根から飯豊山を目指す登山者の多さに驚いた。
決して大げさではないが、この日は30~40人近くはいたのではないかと思う。
自分がこの尾根を登りで使うとなると山頂までどれほどの時間を要すのだろう....、果たして6~7時間で収まるだろうか...。
下山を開始した朝9時半にちょうどダイグラ尾根を登っ上がった登山者とスライドしたが、一体何時に麓を出発したのだろう...。
また、ダイグラ尾根からの登山者が40人だとすると、他の主要登山道から登ってくる登山者は一体何人ほどいたのだろう...?
飯豊は宿泊施設の規模が決して大きくないのでこの日の山小屋は富士山並みの大混雑となっていたことだろう...。
最近は雑誌やネットで話題になった山に登山者が集中する傾向があるようで、飯豊もその一座だろうか、
もし登るなら有休をつなげて休日と重ならないよう計画にするのがマストであろう。
休場ノ峰を過ぎてようやくまとまった下りとなって、尾根を降りてからはつり橋を渡って温身平を経由してわりかし早いペースで駐車場に戻ってこれた。
下山ながら飯豊本山から飯豊山荘で丸6時間....、これでようやく本日の登山終了となった。
久しぶりの飯豊山であったが、今回はとにかく山の規模の巨大さとその険しさを痛感した。
とは言え、今回は一般登山道、本当に飯豊を知りたいとなれば沢登りになるだろう。
が、いずれも4級~5級の難渓となる。
やるなら代表的な胎内川を遡行したいが、果たして自分がチャレンジする日が来るのだろうか。
初日の稜線上のガス+雨は少し残念ではあったが、しっかりと大日岳に登頂できて、勿論大満足の山行であった。
それにしても予想以上に体力を消耗したので、明日は終日好天ながら軽めの山行にすることに決めて、温泉に入ってリフレッシュすべく飯豊山荘に向かった。