天気 :高曇り
メンバー:ひとり
行程 :八海山ロープウェイ山頂駅8:30→千本檜小屋10:10→(八ッ峰)→入道岳12:00→(阿寺山)→八海山スキー場17:00
4月以降天気に全く恵まれず、連日忙しい日々が続いている中、週末を利用し上越に遠征してきました。
<山行記録>
梅雨の中休みの週末、上越、越後三山に出かける。自宅から遥々250km、ソロ登山である。
現地までの移動は自家用車で真夜中の運転となるが、勿論金曜日は仕事なので徹夜運転~深夜登山をこなすパワーは残っておらず、
途中サービスエリアで朝までぐっすり仮眠して今回はロープウェイを使う計画とした。
朝8時半の便で頂上駅へ向かうが、ロープウェイに乗車しているのはスタッフ3人と私の計4名のみであった。
後で知ったがロープウェイはどうやら朝7時から動いているようで、多くの登山者や観光客は始発の便を利用しているようであった。
ロープウェイの乗車時間は約10分、1800円の片道料金で標高差700mを獲得できる形となる。
歩き始めから猛烈に蒸し暑く、今回はそれを見越して飲料は多めに持参しているものの、若干幸先不安な気持ちになった。
暑さはさておきだが、今日はこの先八ッ峰といった気の抜けない難所が控えている。
初夏ということもあって、所々に雪渓が残っており、要所要所で雪や水を得ることができた。
流水で顔や頭を洗ったり残雪を帽子に詰めるなど、この日は雪の恩恵にあやからせてもらった次第であった。
薬師岳まで至ると、高曇りながらこれぞ八海山と言える納得のいく展望が得られ、進む登山道の先には営業小屋と八ッ峰がお出ました。
いよいよここから難所が始まる。一般ルートとはいえ、気を引き締めた。
難所の八ッ峰はほぼ岩稜上に登山道が拓かれており、評判通り鎖場が多かった。
八ッ峰に入って浅草岳に登り上がったところで丁度先行パーティーに追いついたが、ここから先は先行パーティーとの距離を一定に保ちつつ進んでいった。
稜線から望む越後駒ケ岳や中ノ岳は素晴らしかった、が、高曇りでイマイチスッキリしなかった。
まあこの時期を選んで登っているのは自分なのだが...........。
高曇りながら稜線上の山の景色は本当に素晴らしかった。
今山行記録を書き上げつつ、改めて写真を見返していると、空気が澄んだ紅葉の秋を狙って近々(今年中にでも)再訪したい気持ちである。
但しその場合、ロープウェイは激混みとなるのが必至なので、真夜中ヘッデンスタートはマストであろう。
(写真:稜線上を進む先行パーティー、人が映りこむとグッと写真が映える。)
見所が続く岩稜が随所に続くが、前半の鎖場は比較的安全で心に余裕をもって楽しめた。
それにしても豪快な巨岩群である。
越後三山はいたるところに急峻なスラブが散見されるが、起伏が激しい岩稜は八海山特有といえよう。
八ッ峰の中での核心は何といっても大日岳である。
登りも下りも急な傾斜で鎖に頼る必要が生じる、先行パーティーもここは時間をかけて突破していた。
大日岳から先、鎖場はなくなり、後は最高峰の入道岳を目指すのみとなる。
(写真:入道岳手前で後を振り返る。雲が無ければ最高の絶景写真となったであろうに違いない。)
入道岳山頂で記念撮影、先行パーティーはここで折り返すとのことで、ここから先は私一人となる。
下山は五龍岳~阿寺山を経由して麓に降りる計画である。
入道岳から先、踏み跡は一気に減って登山道も不明瞭で、鎖の一部は土に埋もれていた。
そんな中、高山植物はわりかし豊富で所々にカタクリも生えていた。
五龍岳~阿寺山の稜線上には意外と雪が残っており、登山道を見失わぬよう随時気を配った。
木陰の無い稜線は日光が照り付けて暑かったが、雪渓の雪でいつでもクールダウンできたことが救いであった。
稜線周辺はカタクリも多く咲いており、雪解け直後の5月の山の雰囲気であった。
採り頃のタケノコも目立ち、ここはなんせ人の気配がないので、とにかくクマを警戒した。
タケノコはクマの大好物であり、クマの襲撃事故が最も多いのがこの時期でもある。
地図上の三ノ池、四ノ池周辺で後を振り返って八海山を俯瞰する形で写真に収める。
この辺りは八海山を望むに際して上々な展望スポットと言える感じであった。
池は雪に埋もれており、その姿は分からず、阿寺山山頂は三角点が存在するだけのゼロ展望ピークであった。
ここから本格的な下山となるが、踏み跡が不明瞭な急な道が延々と続き、意外と気が抜けない登山道であった。
ここは実線ルートだが、奥多摩などでは破線ルートとして扱われそうな道であった。
阿寺山は最近山スキーガイド本で紹介されているが、意外と本格的なシール登高が必要なのではと想像した。
ふと後ろを振り返るとブナの新緑が見事であり、心を打たれた。
秋の紅葉シーズンもきっと素晴らしい景色になるに違いない。
下山に意外と時間がかかってしまい、登山終了は夕方5時となってしまった。
久しぶりの山歩きにしては少しハードだったが、無事に計画した山行を完遂できて満足であった。