天気 :晴れ一時曇り
メンバー:ひとり
行程 :清水(西谷後バス停)7:20→ニセ巻機山12:30→巻機山13:20→(米子沢)→清水(西谷後バス停)14:50
巻機山でスノーボードをしてきました。
<山行記録>
2年ぶりの巻機山である。
学生時代に慰霊登山で登って以来、切なくも20年以上経ってしまったが、巻機山は今でも私の最も好きな山の1つになっている。
さて、今回は金曜日に有給休暇を取得しての登山である。
巻機山は人気の山なので混雑を避けようと平日に訪れたのだが、到着するやなんと車が(多分)20台以上駐車していた.........。
それにしても今年の雪の多さには驚かされた。道路脇の雪壁の高さだが今年は5mはあるだろうか...、否応なしに山へ期待が高まる。
冬季登山口を朝7時過ぎに出発、雪質はモナカ気味だがじきに柔らかくなってくるだろう。
今年は豪雪のおかげで小さなアップダウンは無く、橋の上にもタップリと雪が積もっていた。
(写真:巻機山のシンボルともいえる黒岩峰、今年は割引沢やヌクビ沢の雪渓は遅い時期まで残ることだろう。)
トレースは終始バッチリで、桜沢駐車場から右側の尾根に取りついていたが、この尾根で以前寡雪のシーズンに薮漕ぎを強いられた苦い思い出があったので、
自分は正面の広い大地を詰めてそこから斜面を登って井戸尾根に取りつくルートで進むことにした。
朝は雪が硬く急斜面の一部はクトーを装着して突破した。雪はモナカで5cm程沈んで重かった.....。
結局30分ぐらでトレースに合流したが、素直にトレースを利用したほうが正解だった.......。
やがて井戸の壁に差し掛かり、途中、いつも通りシートラに切り替えた。
しかしここでのシートラへの切り替えは失敗だった......。
この日はトレースだらけでステップもあったのでツボ足楽勝だと思いきや、すべてワカンやスノーシューのトレースでツボ足では沈みまくってしまった......。
(あとで振り返れば、シール歩行で十分で登れた気がする。他人のトレースで楽しようとしたのが失敗だった........。)
苦労して稜線に上がり後ろを振り返ると谷川岳方面の峰々を俯瞰することができた。
ピラミダルな万太郎山、奥には仙ノ倉山、もし来シーズンも今年同様に雪が多ければ毛渡沢やシッケイ沢に滑りに行きたいと思った。
引き続きしばらく登りが続いて、やがて樹林帯を抜けて森林限界に入ると風も出てきて、寒くなってきたので上着を羽織った。
森林限界を抜けたところで純白で巨大な稜線と対峙できる。
本来ならここは絶景スポットだが、この日は空に雲がかかって青空が無く、メリハリの効いた写真を撮ることができなかった...。
(写真:ニセ巻機手前から後ろを振り返って望む井戸尾根。)
ニセ巻機手前の急登は雪が硬いので、毎年シートラで突破しているが、今年はクトー装備のシールで登高することができた。
新しい板は小回りが利いて軽く、シールも新品なので、ギヤのアップグレードが効を奏したようであった。
毎年賑わっているニセ巻機山頂であるが、珍しくこの日は閑散としていた。
多くのスキーヤーが先行しているはずだが、皆、既に巻機山山頂方面に向かっているのだろう。
標識も随分と雪に埋まっており、ここでも今年の雪の多さを実感できた。
スプリットボードの場合、ここからシールをはがしてモードチェンジで下のコルまで滑走するか、頑張ってシール歩行でごまかしながら高度を下げるか悩むところだが、
この日はシール歩行を選択、クトーを装着すればある程度は下降をこなせることも分かった。
巻機山山頂近くからニセ巻機や米子沢を振り返る。
春スキーの米子沢であるがここ最近のシーズンは寡雪による沢割れを懸念して滑降を避けていた。
しかし今年は積雪が豊富なので沢割れは無いだろう。勿論、今日は米子沢を滑降する予定である。
午後1時過ぎ、ようやく巻機山に登頂した。
スタートからトレースバッチリでラッセルはほぼ無かった筈だが、出発から6時間近くかかってしまった。
(因みに2年前は靴擦れで大苦戦して7時間半を要している。あの時は辛かった...。)
ともあれ登頂ペースはさておいて、自分は無事登頂さえできればとりあえずは満足である。
ここから先はスノーボード、いつになっても滑り出しの瞬間は緊張してしまう。
さあ、米子沢だ。まずは源頭のハーフパイプ状を滑降する予定であったが、思い違ってルートインをミスって地形に侵入できず、
結局古いトレースに沿って緩斜面を滑りながら谷にアクセスといった滑降となってしまった...。
源頭のハーフパイプを滑る場合は丁寧にコルまで滑りおりてからエントリーする必要があることを今回学んだ。次回こそかならずや...。
雪質は残念ながらストップスノーで板が全然走らなかった.......。
しかしこの雄大な天然の大斜面でのスノーボード滑降はこの季節限定の自然の恵みであり、私にとってこの上ない究極の幸せである。
滑降ルートをミスると痛いしっぺがえしをくらってしまうので、毎々どうにも慎重すぎてぎこちない滑降になってしまうのだが、
今日に限ってはルートが1つでおまけにトレースバッチリなので、(ストップスノーではあったが)心置きなく豪快に滑降を楽しんだ。
大滝部の通過は下部にデブリが堆積していたので注意を払ったが、問題なく突破することができた。
堰堤手前の緩斜面までくるとどうにも板が自然に滑らなくなって、途中からストックを出しての滑降となってしまったが、ストックを使えば問題なく滑ることができた。
そんな感じで先行者のトレースを利用して駐車スペースまで板を脱がず滑りおりることができた。
全体的にストップスノーながら豊富な積雪に納得のいくコンディションで満ち足りた活動となった。
巻機山には近いうちにまた再訪することだろう。
今年は雪が多いのでチャレンジが難しいかもしれないが次回は裏巻機渓谷からの登頂を目指したい。